前回の和食マナーに続き、洋食編です。
ホテルのランチコースを友人と楽しむなど、洋食を食べる機会は多く「ナイフやフォークは外側から使う」など大体のマナーは知っているはず…。
でも、できている人は少ないものです。今回は街のレストランでよく見かけるタブーに注目、正しいマナーを関西作法会会長の田野直美さんに聞きました。
ナプキンで気持がわかる
まずナプキン。ひざにかければ準備万端ですが、口の汚れを持参のハンカチでふく人がいます。
ナプキンを使わないと「この店のナプキンは信用できない」の意思表示になります。
単にひざの汚れよけではなく、食事中に会話をする前、飲み物を飲む前にも軽く口をふきます。
おいしく食べ終わったら無造作に畳んでテーブルの上へ。きちんと畳むと「まずかった! もう二度と来ない」という意味になります。
スープは食べる
スープをスプーンでどうすくうか。自信のない人もいます。正式には手前からすくい、口に運びます。飲み物は右側からサーブされますが、スープはメインディッシュと同じで左からサーブされる料理という位置づけ。飲むより食べるものです。ズルズルすすらず、適量をすくって口に運びます。
パンはメインをおいしくする要
パンは早めに出ますが、スープが終わってから肉料理までに食べます。
最後まで肉をおいしく食べるため、肉や魚の間に食べ、口の中を淡白にします。
一口大にちぎって食べましょう。
テーブル左隅に置かれたパン皿に、うんと手をのばしてパンをちぎる姿もよく見かけます。
そんな面倒なことをせず、メイン料理の上でちぎればいいのです。
日本ならではのライス。いまだにナイフでフォークの背にごはんを乗せて食べる人がいますが、これは間違ったマナー。とても食べにくいはずです。
ナイフで乗せるならフォークの表に。フォークだけですくっても構いません。
おいしく食べるために
肉料理を最初に一口大に切り分けるのは、肉汁が流れ出るうえに、冷めてしまい、おいしさが半減します。
左から食べる分だけ切ります。おいしいソースの場合はパンにつけて食べたいですね。
正式な場では控える方がいいですが、知人の招待やなじみの店の場合はどんどんやっていいです。
ソースは料理の命ですから、最後まできれいに食べてもらったら作る人もうれしいはずです。
食事中、手はテーブルの上に出しておくこと。
かしこまってひざの上に置きがちですが、西洋ではテーブルの下に手があると不信を招くとされています。
タバコはコーヒーが出るまでタブー。料理前の喫煙は味を損ない、料理人にも失礼です。
アサヒファミリー 2003年3月7日 掲載