初めまして。平成26年度、コラムの担当をいたします田野直美と申します。
日々の暮らしの中での友好な人間関係を築くヒントをお伝えして参りますので、どうぞよろしくお願いいたします。
まず、第一回目は、挨拶についてお話いたします。 簡単に思えて、意外とできていないのが挨拶です。
「おはようございます」「こんにちは」「こんばんは」は、挨拶言葉ですが、挨拶ではありません。
例えば、このようなシーンを思い浮かべてください。 Aさんは、目も合わせず、無表情で「おはようございます」とぺこり。 Bさんは、にっこり笑って「○○さん、おはようございます」と会釈。
あなたは、どちらに好感を持ちますか? 何か話をする必要ができたときに、どちらに声を掛けますか? 挨拶の漢字には、「挨」には心を開く、「拶」には近づくという意味があります。
心を開いて相手に近づかなければ、挨拶ではありません。
挨拶言葉を言って、お辞儀をするだけは相手の心に近づくことはできません。
もちろん、挨拶言葉やお辞儀も大切です。 お辞儀は、相手への敬意の表れです。 首をぺこりと折るだけでなく、背筋を伸ばし腰から曲げたきちんとしたお辞儀は、見ていて気持ちが良いものです。 挨拶言葉とお辞儀の他に必要なものは、笑顔と心をこめて伝えるひと言です。
笑顔は、好意を持っているということを示す表情です。 笑顔を添えることで、好意が伝わります。 心をこめたひと言も難しく考える必要はありません。
最初は、相手の名前を呼び掛けるだけでも良いのです。
相手との心の距離が少し近くなったら 「良いお天気ですね」 「今日は、暖かいですね」 「春めいてきましたね」 などの気候の話を添えてみます。 そして、相手との人間関係が築かれたら、 「昨日は、遅くまでお疲れ様でした」 「今日のお出かけ、お天気で良かったですね」 など状況に合わせたひと言を添えてみると、挨拶がコミュニケーションに変わります。
朝、家を出る前に、鏡に向かってにっこりスマイル。 そして、元気に明るく「おはよう(お辞儀)ハッピー、ラッキー、今日も一日、元気に!」 と自分自身に挨拶してみてはいかがでしょうか。
実は、「ハッピー」「ラッキー」「元気に」この3つ言葉の語尾の母音は、すべて「い」です。
「い」の発声は、口を横に思い切り引っ張る笑顔の口。 語尾が「い」の音を言うと自然に口角が上がります。 4月は、新しい方との出会いもあります。心を開いて、相手の心に近づいて、友好な人間関係が築けるように、笑顔の挨拶を実践しましょう。
ほっかいどう福祉だより「しあわせ」 2014.Spring Vol.98 掲載