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2022年 和食のテーブルマナー講習会

2022年11月18日(金)12:00~
ホテルグランヴィア大阪
クリスタルルームにて



今年は、関西作法会としては初めての、和食のテーブルマナーを行う運びとなりました。
参加者は会長をはじめお客様お二人合わせて13名



和食ということで(?)、テーブルコーディネートはなんとなく落ち着いていましたが、手作りの折り紙名札が迎えてくれて、期待感がアップしました。

 

 

まずは、会長の挨拶です。

 



例年、この時期には西洋料理のテーブルマナーを行なっていたが、今年は和食のテーブルマナーの実施となった。非常に良い機会だと思う。

まだまだコロナの影響があるが、感染対策に注意して、大いに楽しみながら学びましょう、とお話しくださり、テーブルマナー講習会が始まりました。



本日、レクチャーくださいましたのは、ホテルグランヴィア大阪 原田 直樹様です。
原田様は、HRS認定 日本料理食卓作法講師です。

 

 

まずは、お約束ですが、コロナ禍における感染予防対策の協力のお願いがありました。
そこで、ホテル側でご用意いただいていたのは、手持ちマスク。
お食事中の会話時にはこちらをお使いくださいということでした。

 

 

なんだか、お上品に見えて、結構皆ご満悦。

 

最初は、和食の種類やおしぼりの扱い方、箸と器の扱い方を丁寧にレクチャーくださいました。

 

 

箸は左手で箸袋を持ち、右手で箸を出し、一旦置く。
置いた箸の中央辺りを右手で取り、左手で下から支え、右手を滑らせて、しっかり箸を持つ。

 

器の蓋を取るときは、左手で椀を支え、右手で蓋を手前から開けて、「の」の字を描くようにフチにそって半回転させ、垂直に立てて、蓋についた雫を碗の中に落とします。
雫が落ちなくなれば、両手を使ってお膳の外側に置きます。

 

椀の中身を食す場合は、お箸よりも先に、まず椀を両手で取り、左手で器の底を支えて持ちます。


そうしておいて、右手で箸を取り、椀を支えている左手の指の間に箸の真ん中あたりを挟みこむようにして支え、右手は箸の上を滑らすようにして箸の下に移動させ、きちんとした持ち方にして、左の手の指の間から抜きます。

 

そして、やっと椀の中身が食べられるということです。

 

大変ですね。でも、所作としては非常に美しいです。
和食はお料理も器も美しく盛り付けされています。その美しさを壊さないように、食べる自分たちも美しい所作で食すのが礼儀なのかもしれません。

 

今回は実際に食べる前に、その所作の練習をかなり丁寧にレクチャーくださいました。

 

ではここからは、本日のお料理のご紹介をしながら進めてまいります。



☆MENU☆



前菜

(中千代口)
長芋蟹の内子掛け 三つ葉 生姜
雲子万年漬け
クリームあん あられ柚子
カステラ玉子 むかご真丈 車海老芝煮 笹巻き麩 かます木の芽寿司 花豆けしの実 紅葉蓮根
(季節の葉)

 

 

最初のお料理。
正方形のこの器はいわゆる八寸で、約24㎝四方の大きさです。
紅葉の葉が飾られていて季節感を感じることができます。
なるべく中央を崩さないように食べるのが美しい食べ方だそうです。
どれもおうちでは味わえない上品なお味です。



吸い物 松茸土瓶蒸し
蛤 但馬鷄 三つ葉 酢橘

 

 

これは、当初のメニューにはなかったのですが、無理を言い、入れていただいたそうです。
土瓶蒸しなんて、中々食べにいけませんから、貴重な体験です。

 

全く知識がなければ、一体なんなのか、どうやって食べるのか、わかりませんよね。

 

これは、蓋のように見える部分が中のお汁をいただく器(杯)になっています。
その部分を取ると、ちゃんとした土瓶になりました。
そして、本当の蓋を取ると、中はこうなっています。

 

 

でもまずは、蓋をしたまま、お汁を杯にそそぎ、お出しを味わいます。
まずはお出しだけ。


次に杯の飲み口にカボスを塗り込みお出しを味わうと、カボスの風味がお出しの味を引き立てさらに美味しくいただけました。
このいただき方は、料理長のおススメだそうです。

 

 

お汁を味わった後は、中の具材もちゃんといただきます。
松茸もしっかり香り、秋の味覚を味わいました。

 

お造り

鯛 鮪 縞鯵 あしらい一式

 

 

器の模様の鳥2匹を避けて盛り付けてあり、考えてるなーと感じました。
薬味にしその花がありましたが、しその花は花の部分を箸でこそいで醤油の中に入れて薬味にするそうですが、私は茎ごと食べてしまいました。
ま、食べられたのでいいですけど。風味も味わいましたよ。

 

焼物 小鯛姿焼き

叩き木の芽 菊かぶら 鶏松風 山桃 (南天・松葉)

 

 

小鯛とはいえ、まあまあ迫力があります。

尾頭付きの魚の食べ方もレクチャーくださいましたが、料理長の心遣いか、ずいぶん食べやすくなっていました。

 

煮物 天然鰹かぶら蒸し

紅葉麩 銀杏 彩野菜 本山葵 吉野あん

 

 

これも、紅葉麩が季節感出しています。
お味も上品でした。

 

食事 赤飯

胡麻塩

 

香の物

大根 胡瓜 キャラ蕗

 

留碗 

白味噌仕立て 小餅・辛子 青菜

 

 

留碗の白みそ仕立ては、みそ汁とは思えないほど味噌がなめらかで、美味でした。
みそ汁の中に辛子の風味というのは初めての味覚でしたが、合うものですね。
また、紅白の小餅が入っていたのですが、それぞれ食感が違い、そういう部分でも楽しめました。

また、赤飯の入った器は風花雪月と書いてあり、日本の花鳥風月と同じ意味の中国語だそうです。

 

 

風は夏、花は春、雪は冬、月は秋を表すので、季節に合わせてその言葉をお客様の正面に向けて使うそう。
もちろん、今回は秋なので月が正面でした。風流です。

 

水物 季節物

 

 

和菓子 薯蕷饅頭

 

 

水物は柿とぶどう。
和菓子も当初のメニューに無かったのですが、これも無理を言い、入れていただいたそう。
本当は抹茶も欲しいところですが、贅沢過ぎますね。

 

最後、名札に入れてあったおみくじがあることを知らされるという、ちょっとしたサプライズもあり、中に書いてある和歌を味わいました。

 

養成講座で学ぶ項目にも日本料理のマナーの項目があります。
食べ方や扱い方なども知識として学んでいても、やはり机上のものです。


今回、実際に所作に気を付け、目で見て楽しみ、味わって楽しむことができたのは大変大きな収穫でした。

 

お世話になりました、原田さま、はじめ、小松料理長さま、ホテルグランヴィア大阪のスタッフの皆様、大変お世話になりました。

心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。

 

(記 広報委員会)

 

 

ご参加の皆様のご感想です。(一部抜粋)

 

◆わたくしが養成講座で初めてのテーブルマナーに出席したのがグランヴィア大阪さまでした。今回再びグランヴィア大阪さまでのテーブルマナー、そして司会という立場での出席に、少し感慨深かったです。
日本料理和食のマナーは思っていた以上に難しく、新しい気づきがたくさんありました。
例えば、土瓶蒸しのカボスを猪口の口元に塗り付けるというのは、「なんとおしゃれないただき方だ!」と感動いたしました。
また、それぞれのお料理だけでなく、器でも季節を感じることができ、味覚、視覚、嗅覚、触覚、聴覚と五感で楽しむことができました。
そして、おみくじもすてきなサプライズで、とてもうれしかったです。
これからは、和歌をおみくじの醍醐味として楽しみたいと思います。

 


◆今年のテーブルマナー講習会は、ホテルグランヴィア大阪様で和食のマナーを勉強させて頂きました。
洋食とはまた違った良さがあり、日本の季節感が感じられる食材をふんだんに用いたお料理は目で見ても、味わっても素晴らしく、楽しみながら学ぶことができました。
土瓶蒸しや小鯛の姿焼きなどの頂き方は、知らなかった事がけっこうあり、これから役に立ちそうです。
かわいらしい席札におみくじを入れて下さったのも嬉しかったです。

 


◆テーブルマナー研修は毎年楽しみに参加させて頂いておりますが、和食のマナー研修が初めての開催との事でしたので、ワクワクして参加致しました。
普段日本人として何気に頂いている和食ですが、和の味や盛り合わせほど繊細で美しいものはないかと思います。
一つ一つに料理長の思いが感じられ、特に土瓶蒸しは、すだちをおちょこに擦りつけて頂くなどは想像もしませんでした。酸味と相まって絶品でした。
土瓶蒸しのお出しが決して家庭では再現出来ない品格のある美味なお味に感動いたしました。
和食のマナーも沢山教えて頂いたので、今後は美味なお味、美しい盛り付けに負けないようなマナーで品良く頂きたいと思いました。
ありがとうございました。

 

◆会場に入るとすぐ、感染対策としてそれぞれの間に衝立がある様子に少し緊張しましたが、折り紙名札に心が和みました。
どのお料理もそうですが、特に和食は『美しくいただく(所作も含め)』が基本である、と強く感じました。椀とお箸の扱いは、養成講座(専科)でも学んでいましたが、その都度正式な扱いをしていると、とても大変でした(苦笑)。日ごろは先にお箸を取る、正式な場では正式な扱いをする(椀を先に取る)、スマートに使い分けが出来ると良いなと思います。
やはり和食は味にビックリすることなく(良い意味です)心が落ち着き、しっとりしました。改めて『日本料理・和食』の良さを知ることができました。











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