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そろそろお正月用の事始めの時期。お歳暮、年賀状、大掃除におせち料理づくりなど、新年を迎えるための準備はいろいろあります。
関西作法会会長の田野直美さんによると、事始めの中で一番問い合わせが多いのは、喪中で年賀状を出せないこと、受け取れないことを伝える「喪中・年賀欠礼」について。
今回は、欠礼状を出すタイミングやマナーなど、田野さんがふだんよく受ける質問について、Q&Aで紹介します。
Q:年賀欠礼状はいつごろ出せばいいですか?
A:相手が年賀状を書きはじめる時期を考え、遅くとも12月1日~10日の内に必ず届けること。「喪中のため年賀を失礼します」とだけ書いて済ませるのではなく、誰がいつ亡くなったのかもきちんと伝えましょう。
Q:欠礼状を受け取ったらどうすればいいか?
A:こちらからも年賀状を控えます。旧年の感謝や、新年もよろしくとお願いのあいさつをしたい場合は、1月15日以降に寒中見舞いを出します。
Q:私は喪中でも、相手は喪中ではないのだから、年賀状をもらってもいいのでは?
A:喪中の場合は年賀状を出すのも、受けるのもタブー。喪に服している人に対して「おめでとう」を言うのは失礼なこと。自分はいいから、ではなく相手に非礼をさせない思いやりが大切です。
Q:喪中の人にお歳暮をしてもいい?
A:お歳暮と喪中は関係ないので、構いません。
Q:欠礼状を出さなかったため、年賀状をもらってしまったら?
A:寒中見舞いに、実は喪中で、年賀状を出せなかった失礼を詫(わ)びる一文を添えて出します。
Q:喪中と知らずに年賀状を出してしまったら?
A:この場合も、1月15日以降に寒中見舞いとしてお詫(わ)び状を出してください。その中に「お寂しいでしょうが、お力落としのございませんように」など、弔意をあらわした文を添えます。できるだけ自分の言葉がいいですよ。
Q:どの親族までが喪中になるの?
A:基本的には2親等(親、兄弟姉妹、祖父母)まで。通常亡くなって1年間は
喪中になります。時々「夫の親が亡くなっても、妻である私は喪中じゃないですよね」と聞かれますが、夫婦で片方だけが喪中じゃないなんてことはありませんよ。
Q:商売をしているので、早めに喪を切り上げたいのですが?
A:妻や夫、それぞれの身内は、別性や同居していない場合が多いと思いますので、そのことを理由に早めに喪明けをしても構いません。ただし、それでも半年は喪に服すべきです。同居の場合でも、商売に支障があれば、親戚や友人は年賀状を控えますが、会社は個人ではなく法人なので、年賀状を出すケースが多くあります。
アサヒファミリー 2003年12月5日 掲載